医療関係者向け情報

  • Print this Page

流死産絨毛・胎児組織(POC)Reveal®SNPマイクロアレイ

各種資料のダウンロードはこちら→

複雑な問題を解明する

Reveal®SNPマイクロアレイとは

流産と関連のある染色体の不均衡を検出する細胞遺伝学的マイクロアレイです。

Reveal®SNPマイクロアレイは、細胞を培養することなく流死産絨毛・胎児組織(POC:Products of Conception)に対して直接的に検査を実施することができるため、検査の成功率が向上します。
  • 染色体分析が培養不成功となって患者様に結果を報告することができなかった場合に有用です。1)2)
  • 細菌汚染のある検体、母体細胞の異常増殖がある検体でも分析可能例があります。
Reveal®SNPマイクロアレイは、非多型プローブで包括的かつ重要な細胞遺伝学的解析が可能になることや、SNPプローブでコピー数変化を伴わない変化(例:片親性ダイソミー)、遺伝子レベルのヘテロ接合性を検出することを特徴としています。
  • 従来の染色体分析では検出できなかった全胞状奇胎妊娠における細胞遺伝学的異常を検出できます。
  • BACアレイやオリゴアレイを用いたCGH法の技術では対応できなかった、全胞状奇胎と部分胞状奇胎の細胞遺伝学的解析が可能です。
  • 従来の染色体分析では、結果が正常女性核型であった場合は、母体細胞が混入した可能性を完全には否定できませんが、本検査では、通常は母体細胞の混入を検出できます。

マイクロアレイおよび細胞遺伝学的検査が必要な場合はLabCorpにお任せ下さい。

  • 最先端技術を用いたプラットフォームは、遺伝子のカバー率を強化。モザイクの検出率を向上。
  • 独自の広範なデータベース*に基づく、的確な解釈と報告書。
LabCorpの包括的検査サービス

より利便性の高い、患者様一人ひとりに適した検査が可能に

2008年以来、60,000件を越えるSNPアレイ解析を米国で実施

Reveal®SNPマイクロアレイの検査対象となりうる例

  • 染色体分析の結果が得られなかった流産・死産例
  • 部分胞状奇胎または全胞状奇胎妊娠における染色体の不均衡または雄核発生の同定
  • 染色体分析の結果が均衡型構造異常や由来不明のマーカー染色体で、胎児異常が認められていた流産・死産例
  • POC染色体分析の結果が正常核型で、患者ご夫婦が流産や死産の更なる原因検索を希望される場合

Reveal®SNPマイクロアレイの製品仕様と利点

総数260万個を超えるコピー数マーカーを搭載した高密度アレイ
  • 75万個を超えるSNPプローブ:コピー数解析に加えて遺伝子型の同定が可能に
  • 190万個を超える領域特異的な非多型プローブ:コピー数解析
  • 遺伝子内では、平均880bpの密度でプローブを配置しています。
    ISCA*1 constitutional遺伝子内のプローブ間隔の平均は384bpです。重要な遺伝子内のエクソンレベルのコピー数変化の検出に役立ちます。
  • ゲノム全域に平均1,148bpの密度でプローブを配置しています。マーカー染色体の由来や明らかな均衡型染色体構造異常の解明に役立ちます。
遺伝子カバー率の強化により包括的かつ重要な細胞遺伝学的解析が可能に
  • ISCA*1 constitutional遺伝子: 100%
  • X染色体*2 OMIM病的遺伝子: 100%
SNPプローブにより遺伝子レベルのヘテロ/ホモ接合性の決定
  • 常染色体劣性遺伝性疾患のリスク増加と関連がある片親性ダイソミーや近親婚
  • 全胞状奇胎と関連のあるホモ接合性および部分胞状奇胎と関連がある対立遺伝子量比
報告される結果
  • 1Mb以上の欠失、2Mb以上の重複
  • 既知の症候群の原因遺伝子では、さらに低い閾値(50kb)で分析
  • 明確な表現型を有する主要な症候群との関連性がある場合を除き、感受性遺伝子は報告されていません。
検査の成功率*3は約97%3)

*1 / International Standard For Cytogenomic Arrays Consortium: 診断用マイクロアレイの標準化やDatabase構築を目指した国際標準Cytogenomicアレイコンソーシアム

*2 / Online Mendelian Inheritance in Man: NCBI(National Center for Biotechnology Information)が作成したヒト遺伝子変異と遺伝性疾患に関するデータベース

*3 / LabCorpのCenter for Molecular Biology and Pathologyで検査結果を報告できた割合

SNPマイクロアレイをお使いいただくときの注意点
  • SNPマイクロアレイは、従来の染色体分析で検出可能な染色体異常の多くを検出可能で、しかも染色体分析では検出できない微細な染色体・遺伝子の変化を検出することができます。しかし、染色体分析とは分析手法が異なるため、原則的には均衡型相互転座や逆位を検出する事はできません。例外的に、転座や逆位にともなって染色体の微細な欠失や重複が存在するときは、本検査によって異常を検出できる場合もあります。
  • SNPマイクロアレイは、遺伝子全体や一部の欠失/重複を検出することが可能ですが、解像度未満の欠失/重複や、点変異等を検出する事はできません。したがって、本検査で異常が認められない場合にも、プローブが配置されている疾患を全て除外できる訳ではありません。疾患によっては検出できる割合が少ない場合もあります。
  • SNPマイクロアレイは非常に感度が高いため、正常人にも認められるような染色体の変化(正常範囲内と考えられるバリエーション)をとらえる場合があります。両親の検査を実施しなければ検査結果の意義が判断できない場合があります。両親のどちらにも無い変化が流死産胎児に認められた場合には、その変化は流産・死産の原因となっている可能性がありますが、流産・死産との関連性が明確でない場合もあります。
  • 検出された変化の病的意義を判断するために、両親の検査が推奨される場合があります。
  • SNPマイクロアレイでは、遺伝子が血縁関係のある両親に由来するものかどうかを示すため、予期せず両親の血縁関係に関する情報が提供される場合があります。
  • SNPマイクロアレイで認められた異常と、流産・死産の関連性が明確でない場合もあります。

検体受託要項

検査項目名 Reveal®SNPマイクロアレイ 流死産絨毛・胎児組織
必要検体 胎児絨毛組織: 50-100mg 弊社組織専用搬送容器
未固定のその他胎児組織: 2-4mm³以上 弊社組織専用搬送容器
検体保存条件 冷蔵
検査所要日数 14-21日(ラボコープ・ジャパンにて検体を受領した日より起算)
備考 ご出検には、検査依頼書とReveal®SNP マイクロアレイ(Prenatal&POC)質問票への記載が必要です。
本検査は、米国Laboratoty Corporation of America® HoldingsのCenter for Molecular Biology and Pathology (North Carolina)で実施します。本検査は、Affymetrix®のCytoScan™HD Cytogenetics Solutionを活用しています。
参考文献
  1. Array Comparative Genomic Hybridization in Prenatal Diagnosis. Obstetrics & Gynecology 2009; 114:1161-3.
  2. Schaeffer AJ et al. Comparative genomic hybridization-array analysis enhances the detection of aneuploidies and submicroscopic imbalances in spontaneous miscarriages. Am J Hum Genet 2004; 74:1168-1174.
  3. Based on LabCorp internal data on file.